夢の話、とても切なく寂しい夢の物語
就寝中、僕はあまり夢を見ない
いや、夢を見ているかもしれないが起きた時には大概忘れている事がほとんど
自分は夢を見ないタイプの人間なのかなぁとか思っていたが
一週間ほど前に鮮明でリアルな夢を見た
今現在も明確に覚えているほどリアルな夢だった
夢の中のストーリーはこんな感じだ
いつもの下北沢を歩いている、風景はいつもと変わらないが人手が多く多分日曜日の昼間か、状況的にコロナが落ち着き街に活気が出ている風景
いつも通り緑道を通り神社を抜けて自宅に帰る
鍵を開ける前にドアの前で大きなため息をつく僕
??なぜ?……妙にイヤな予感がした
鍵を開けて部屋に入る
部屋が綺麗に片付いている、いつも劇団荷物や消毒機材や嫁が脱ぎ散らかした服が散乱している筈の我が家なのに、引っ越してきたばかりの様に綺麗に、いや、殺風景な空白のような部屋になっている
TVは普通に置いてありリモコンでTVを付けるとゴゴスマが流れている
ジーッと一人で眺める僕
どうやら一人で暮らしているらしい
夢の筈なのに動悸が激しくなる
すぐにTVを消して立ち上がるとまた部屋を出て歩き出した
すると今度は見たこともない郊外の町並みが広がっていてなぜか僕は原付バイクに乗って田舎道を走り出す
風が気持ち良いな
と呟いた、これはかなりリアルに声に出して呟いた記憶がある
すぐに原付を止めると見慣れた感じの公民館みたいな区民会館みたいな場所に入っていく
ここで自分の目的が分かった
そこでは色んな劇団やサークルが何やら練習してて、ドアの外からジーッと見つめる僕
僕は仲間に入れて欲しいのだ!!
でもドアを開ける勇気がなくて廊下をずっとウロウロしている
この時の気まずさというか緊張も明確に覚えている
結果
勇気が出ずに諦めて会館の入り口まで戻るとウォータークーラーで水を飲む自分
財布を持っておらずお金がないからジュース買えなかった光景
切なくて苦しくなり泣きそうになった
すると会館の職員さんが掲示板に沢山張り紙をしていた
走ってその張り紙を見に行くと
野球チーム!メンバー募集!と書いてて主催者の電話番号も載ってたから僕は電話をかけた
お爺さんみたいな方が電話を取った
僕は緊張しながら
『メンバーに入りたいんです、僕46歳なんですけど大丈夫でしょうか?』
ハッキリと発声した記憶がある、泣きそうになりながら思いきってそう伝えたらお爺さんが
『若い若い、うちのメンバーの中じゃ若手だから大丈夫、こんど練習あるから来る?グローブある?』
『はい、行きます!グローブあります!宜しくお願いします!』
と
グローブなんて中学生の時に捨ててないのに
嘘をついてでもメンバーになりたかった
なぜ野球チームなのか?なぜ劇団や演劇サークルではないのか?
夢だからまったく分からないが
どうやら背景を想像すると
僕は全て、何もかもを失っている状況らしい、嫁も劇団も現場も仲間も全部失った状況下であまりの寂しさに耐えきれず公民館に行き何かしらの集団に入りたかったんだと
目が覚めた時泣いてた
僕は東京に出てきて数年後すぐに劇団が解散し、フリーの役者をしていた時、耐えきれず自身の集団を作った
その耐えきれない感情と同じ感情を夢で見た
これは正夢になるのかな?
又は前世の記憶かな?
なぜこんな夢を見たのか?
分からない
ただ一つ分かった事は
仲間や家族に常に感謝の気持ちを持って、苦しい事も楽しい事も悩む事も嬉しい事もちゃんと共有して生きて行こう
そう思った
もしかしたらこの夢は、今のお前のままだと将来こうなるぞ!!
と暗示してくれたのかもしれない
支えてくれている家族や仲間をもっともっと大切にしよう!
そう思った夢のお話でした。
おしまい